僕のラーメン屋物語6

MP1_9757

本日は、同級生の新本くん 学生時代に通っていたパスタ屋の谷川さん 2人のご縁を頂き 「 中華そば 鶴舞一刻屋 」 を2人に任せることができるようになって、僕が両親の店に移って体験した、2代目としての葛藤の日々を書きたいと思います。

前回書いたように、同級生の新本君、学生時代に通っていた、パスタ屋の 谷川さんの2人体制になり、「 中華そば鶴舞一刻屋 」のメンバーはそろいました。

しかし最初は、任せることに底知れぬ不安がありました。 

創業者の僕が抜けたことで、味が変わったと言われないか不安でした。

僕らがやっている小規模のラーメン屋というのは職人の世界で、お客様がいつも通っているお店に、店主がいないと思うと、たとえ毎日、同じ味を提供できていたとしても、味が変わったと言われることがある厳しい世界です。

「 中華そば 鶴舞一刻屋 」もそう思われるのではないか、僕がいなくなるとお客様が来てくれなくなるのではないかという不安がありました。

しかし、その心配は杞憂に終りました。

安定の2人体制になり、働く人数を増やしたことで、営業日数も営業時間も僕がやっていた時より長くなり、結果的にお客様は増えて行きました。

そして、最初の店「 中華そば 鶴舞一刻屋 」を立ち上げて四年後、僕は両親の店「 中華そば 白壁あおい 」を継ぐことになりました。

しかし、実際に僕が中華そば 白壁あおいに移って営業をし始めると、事はそう順調には進みませんでした。

僕が継いだと同時に、両親は10年続けたお店を潔くスパッと引退しました。

※すぱっとやめた後、お店の経営に一言も口を出さなかった両親は今考えるとすごいと思います。

中華そば 白壁あおい二代目店主として引き継いだラーメンの味そのものは、両親がやめる前にすべてを教えてもらいました。

そして僕が営業をすることになってからも、白壁あおいのラーメンの味は、そのままの味で提供している……はずでした。

しかし、問題はすぐに起きてしまいました…

 

その問題とは、両親の時代から通っていただいていた常連のお客様から 『 ちょっと味が変わったよね 』 と言われたことでした。

僕には、お客様が 『 味が落ちたよね、親父の時は旨かったけど… 』 と言っているように聞こえました。

そんなはずはない…

同じようにやっているはずだと心の中では思いました。

念のため、両親に食べてもらいましたが、変わらない味で美味しいと言ってくれました。

味が変わってないのになぜお客様は味が変わったと感じるのだろう。

 

細心の注意をはらって毎日仕込みをし、営業に臨みましたが、常連さんにはなかなか納得できる味ではなかったようで、日に日に悩みは深くなりました。

しばらく営業し続けて、しっくりこない原因を探り続けた結果、一つの仮説にいきつきました。

同じレシピで同じ味のラーメンを作っていても、店主の顔が変わると味が変わったとお客様は認識してしまうのではないかという事です。

そんな考えを頭の片隅に置きながら、営業しているうちにその考えは確信に変わりました。

『 中華そば 白壁あおい 』は、もともと、父親、母親のいわゆるパパママショップでした。

二人の夫婦漫才的な掛け合いがあってのお店でした。 

僕が 白壁あおい を引き継いだのは、35才。

若い兄ちゃんが突然お店の店主になったら、常連さんも大丈夫かなと疑心暗鬼になりながらお店に来るのではないか。そう思いました。

しかし、こればっかりは、歴史が必要なので、すぐに改善しようがないとも思いました。

どう対処しようかと頭を巡らせて考え続けた結果、一つの決断をしました。